「現実を見るべきか、希望を信じるべきか」
「現実を見るべきか、希望を信じるべきか」といった相談をたまにもらうのですが、こういう人はそもそも「この二つを対立して捉えること」が間違っています。
現実の反対は、希望ではありません。
妄想です。
希望の反対は、現実ではありません。
絶望です。
現実vs希望ではないのです。
「現実vs妄想」
「希望vs絶望」
これが正しい捉え方です。
そして現実という概念の中には、希望的な出来事もあれば絶望的な出来事もあります。
ですので真の「現実を見る」とは、ただ悲観するということではなく、希望も絶望も平等に視野に入れることになります。
世間では「ネガティブな可能性ばかり考える人間のこと」を現実的な考え方だと評価する風潮がありますが、これは間違っています。
彼らは悲観しています。
これは現実の一部を切り取って絶望だけに偏って見ているのですから、「現実を見ている」とは言えません。
「妄想を見ている状態だ」と言えます。
かといって、あらゆるリスクを軽視して希望だけ信じる人が現実的かと言われればそれも違うでしょう。
こちらもベクトルが逆なだけで、やはり「妄想を見ている状態だ」と言えます。
真の現実主義者は、世界に過度な期待も抱かなければ、過度な絶望もしません。
この世界は、素晴らしい希望のような出来事が満ち溢れています。
でも同時に、悲しい絶望的な出来事もあります。
この世界では、あなたに優しく、誠意をもって接してくれる、信頼に応えてくれる善良な人間が多数います。
でも同時に、あなたを裏切り、騙そうとする、時には暴力で威圧するような悪人もたくさんいるでしょう。
どちらも「ある」のです。
決して「どちらかだけ」ではないです。
それがこの世界の現実です。
だから、希望だけを信じてもいけないいし、同時に絶望だけを信じてもいけないのです。
どちらの可能性もある。
ケースバイケースで考える。
これがもっとも健全な姿勢です。