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20年前の古い価値基準で、20年後にやってくる「子供の将来」を判断しようとするのは愚かな行為だ

子供の将来のことを思って、良かれと思って、子供に対してあれこれと口出しをしてしまう方は多いかもしれません。
でもその全てが、むしろ逆効果だとすれば?
それは子供の可能性を広げるどころか、むしろどんどん「狭める」行為だったとすれば?

今日はそれについて解説します。

20年前の古い価値基準で、20年後の子供の将来を考えても子のためにはならない。

いまだに大企業や公務員が安定だと考えるのは、馬に乗って突撃して戦闘機に勝てると思ってるのと同じ

例えば、いまだに「大企業に就職すれば安定」「銀行員や公務員になれば安定」と思い込んで、子供がそういう仕事につけるように、学校で良い成績をとらせようとする親が一定数います。
しかしそれって、いつの時代の話をしているんでしょうか。

現在は大企業の多くがリストラを敢行しています。
「銀行員=AIにとってかわられる可能性が高く、そのうちなくなりそうな仕事ナンバーワン」と言われています。
時代は常に変化し続けています。
それなのにその変化に対応しない尺度で考えていても、子を幸せにすることは難しいでしょう。

今から100年前の1920年くらいは、まだ国によっては「騎馬兵(馬に乗った兵士)」がありました。
このころはまだ戦車や戦闘機などの有用性もそこまで強く証明されていなかったので、全ての国家が機械化していたわけではなかったんですね。
しかしそういう国家は、きちんと時代の波に対応した国家にどんどんやられてしまいました。

今の時代に大企業や公務員就職を目指すってのは、これに似た行動だと言えます。
時代は「戦車や戦闘機の時代」に少しずつ変わってきているのに、そのことに気付かないで、いまだにちんたらと「馬に乗って突撃する技術」を高めようとしている。
敵はみんな戦車は戦闘機などを駆使しているのに、そこに馬に乗って突撃して勝とうとしている。

「いや、それは無理だろ」って思いますよね。笑
そうです。
無理なんです。
時代錯誤な手段に固執していては、子を幸せにすることはできないんです。

今の子が大人になるのは、さらに20年後だという事実を忘れてはいけない。

今10才の子供がいるとします。
その子が、30歳になるのは20年後。

では考えてみてほしいのですが、あなたは20年後の未来のことを見通して、最適な判断をできる自信がありますか?

今2024年です。
2004年の頃のあなたは、20年後は「youtuberが台頭する」「インターネットが社会に普及する」「それをもとにインフルエンサーという職業が生まれる」「テレビの視聴率が下がる」「携帯電話はなくなり、スマートフォンが主流になる」「フリーランスなどの企業に所属しない生き方が定義される」みたいなのを、全部きちんと予想できていましたか?
おそらく、できていないはずです。

そう、20年後のことなんて誰にもわからないのです。
それなのに、今の自分の感覚で、子供の将来を予測しようとするのはとても無意味なことです。

あなたは、常に時代の潮流が読めるようになるために、経済新聞を読みまくったり、過去の歴史の勉強をしたりしているのでしょうか。
そこまでしても100%の予想なんて立てられないのに、そこまでしてもいない人間が20年後のことを語っても、その多くは間違った判断になるはずです。

「親は子よりも人生経験があるから正しい判断ができる」は幻想

よく「親は子よりも人生経験があるから正しい判断ができる」と考えている人がいます。
僕はこれは幻想だと思っています。
むしろ逆で、「親は子よりも古い時代の人生経験しかなく、今の時代の人生経験を保有していないので、間違った判断をしてしまう可能性が高い」と考えています。

とはいえ、もちろん時代が変わっても変わらない、根本的で普遍的なものというのもありますので、そういうレベルの話であれば親のほうが子供よりも適切な判断をできる可能性もあるかもしれません。
でも、親が子にできることってのは、それくらいなんですね。

少なくとも、どういう仕事につくかとか、より具体的で、より実務的なレベルの部分に関しては、親は子よりも判断能力が低いと考えるべきです。
だって経験がないのですから。
だったらそこには、あまり口出ししないほうがいいでしょう。
子供の将来について、あーしろこーしろと要求しないほうがいいでしょう。

自分が経験のないことについて偉そうにガミガミと口出しするのは、「現場のことを何もわかっていない経営者」と同じです。

未来のことをわかったふりをするのはやめよう!わからないことはわからないと認め、子と一緒に考えていこう!

未来はわからないものです。
それはあなただけではなく、どんな人にとってもそうです。

だったらそれを受け入れてしまい、わからないことを、わかったつもりになるのはやめましょう。
「私が過去こうだったから、20年後もこうなるに決まっている」と決めつけ、それを根拠に子供に「あーしなさいこーしなさい」と要求しても、誰も幸せになりません。
こういう場合、未来がどうなるかはわからないことを前提に、子供と一緒に「どうすればより素敵な人生を創れると思う?」というのを一緒に考えていくようにするといいです。

そのほうが、「過去に多くの経験をつんできたあなたの判断」と「今を生きる子の判断」が合一し、よりバランスのとれた判断を行えるようになるはずです。